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COLUMN

コラム

【座談会】オフィス環境改善の手法とその効果〜グリーン・香り・BGMの効果的な取り入れ方

オフィス環境はそこで働く従業員の業務効率性や生産性に大きな影響を与えます。 オフィス環境改善において導入検討されるグリーン・アロマ・BGMという代表的カテゴリーにそれぞれのプロフェッショナルの立場から、コロナ禍の現在とこれからのオフィス環境改善をテーマにした座談会を行いました。


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左:株式会社ユニバーサル園芸社 営業企画課 佐藤 勝
レンタルグリーンの最大手である同社において、顧客のニーズに応じたグリーンのコーディネートと導入提案を行う。ビオトープ計画管理士の資格も持つ。

中央:株式会社生活の木 コーポレートプロモーション担当 ゼネラルマネージャーアシスタント 中村 佳央
アロマテラピーを日本に広めた香りのイノベーターである同社において、WEBマーケティング、デザイン、販促、広報など幅広く担当。AEAJ認定アロマテラピーアドバイザーでもある。

右:株式会社アールライブ エグゼクティブマネージャ 小野木 夢
ハイレゾ自然音による音響空間デザインシステムR-LIVEを提供する同社において、オフィスの生産性を高める音環境のコンサルティングを行う。

(いずれも敬称略)

Withコロナでオフィスの役割はどう変わる?


——職場環境に関する調査結果によると、次のグラフのようにオフィスへの出社頻度(2021年6月前後が対象期間)は平日週5回が当たり前ではなくなっており、「オフィスにわざわざ行く必要性や魅力に乏しい」という意識が全体の29.1%と非常に高い割合となっています。皆さんのお客様からのニーズはどのように変化していると感じますか?

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<調査概要>
「職場環境に関する調査」株式会社アールライブ・2021年6月実施
対象:東京都在住25-55歳の会社員330名(30名以上の社員数で出勤率が30%を超える会社のオフィスに週3回以上出勤している条件)

佐藤(グリーン)
オフィスと自宅の役割分担をしていきたいという声は確かに増えていると感じます。自宅では一人で作業するけど、オフィスには人と人がコミュニケーションする場としての役割を持たせ、その場のシンボルとしてグリーンを入れたいというお話や、自宅では実現できないような充実した就労環境を整えて圧倒的にオフィスの方が働きやすい・オフィスに行きたいと思ってもらうためにグリーンを入れたいというご相談を多くいただいていますね。
また、今までシェアオフィスを利用したことがなかった企業がコロナで利用することとなり、働く場にグリーンを入れる意味や価値を理解してくださり、「もう少し特徴的な植物を入れたい」といったデザインへのご要望レベルも高まったように感じます。

中村(アロマ)
私たちは、出社率が下がったことにより生じた空きスペースの有効活用として、アロマやグリーンを入れて気分転換できる場にしたいといったご相談が増えていると感じます。
また、大手企業を中心にリモートワークでの社員のストレス状況を把握してフォローしたいというニーズが高まっており、その解決策としてアロマの活用を検討されるというケースも非常に多いですね。以前は、良い香りにしたいとか、嫌な香りをマスキングしたいというご相談が多かったのですが、最近は集中とリラックスの切り替えや、自律神経のバランスを整えるなど、かなり具体的な目的での相談が増えていると感じます。

小野木(BGM)
最近はコロナ禍だからこそ、オフィスにわざわざ来る意味や価値を高めたい、短い時間で密度の濃い働き方ができる場所にしたいという目的で「集中する」「コミュニケーションする」「リラックスする」といったキーワードでのご相談が増えていますね。
また、コロナ禍で会議室のドアを開けっ放しにしていることが多く、周囲の作業音や声を気にならなくしたいというサウンドマスキング目的で音を導入したいというご相談もこの時期特に増えてきています。


Point
  • Withコロナにおいては、自宅とオフィスとの「役割分担」や「差別化」を目的とした環境改善の意識の高まりが見られる
  • グリーン・アロマ・BGMに対して、生産性向上やコミュニケーション活性化、健康改善といった明確な目的・役割を期待した導入が進んでいる


オフィス環境改善は「内」よりも「外」優先?


——また、同じ調査結果によると、グリーン・香り・音の導入割合と導入場所については次のような結果となっています。どちらかというと内(従業員向け)よりも外(お客様向け)を優先されているとも読み取れますがいかがですか?




中村(アロマ)
全くこの通りで、特にアロマはどうしても内(自社社員向け)よりも外(来客者向け)を優先されがちというのがありますね。香りでお客様に良い印象付けをしたいといったように。

佐藤(グリーン)
グリーンも同じです。まずは必ずエントランスには置きたいというところから始まり、次に会議室や執務エリアという優先順位でほぼデータ通りですね。
でも予算を抑えなくてはということになるとどうしても執務エリアの方が削られる対象になってしまいます。お客様へのお出迎えのためのグリーンという役割は定着したように感じますが、働く人々のためのグリーンという役割はまだこれからかなと思います。

小野木(BGM)
このデータはBGM全般なので私どものような自然音に限ればまた違う数値になると思いますが、自然音に関して言えば、お客様向けよりも従業員向けに、エントランスよりも執務エリアに…といった生産性向上目的がより明確な感じで導入検討される企業様のほうが多いですね。

中村(アロマ)
アロマやグリーンや自然音も従業員の方々に実際に体感していただくとその価値をわかっていただけるのかもしれません。
とある観光案内所の受付スペースにアロマを試験的に導入した時の話なのですが、来場したお客様のお声よりも従業員の方々の「アロマがあったほうが快適に働ける」というお声が本格導入の決め手となった例もありました。

小野木(BGM)
確かに従業員が快適に働くことができれば、結果的にお客様への対応や接客の質も高まることが期待できますから、結果的に顧客満足にもつながると考えられますね。
そういえば、ハイレゾ自然音を入れていただいたリラクゼーションサロンやブライダルサロンのマネージャの方からも「従業員の表情が穏やかになり接客レベルが上がった」とお声をいただいたことがあります。
遠回りに思えるかもしれませんが、結果的に一石二鳥かもしれません。


Point
  • オフィス環境改善の予算は、従業員より顧客優先になりがちであるが、もっと従業員にシフトしても。従業員の満足度や働き方や効率が改善されることで結果的に顧客満足度が上がることも期待できる。


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オフィス環境改善における効果的な取り入れ方


——これまでのお話では、もっと従業員向けのオフィス環境改善に目を向けてグリーン・アロマ・BGMを活用してほしいということでしたが、具体的にどのような取り入れ方をするのがよいといったコツはありますか?

中村(アロマ)
以前はとにかく生産性や業務効率を上げたいという目的でのアロマ導入が比較的多かったのですが、数年前から働き方改革という言葉が出てきた後は「オンオフの切り替え」という方向に意識が向いてきているように思います。
そのようなニーズには、例えば集中力を高めたいときにはローズマリーのような酢酸リナリルを含む香り、気持ちを落ち着かせたい時はラベンダーのような落ち着く香りといったように異なる香りの嗅ぎ分けが効果的だと提案しています。一説によると交感神経はすぐ立ち上がりやすいので、例えば朝出社して香りを嗅いで仕事スイッチを入れるという使い方は有効ですね。

佐藤(グリーン)
バイオフィリックデザインの研究においても、オフィス空間に自然を取り入れることで、幸福度が15%、生産性が6%、創造性が15%上昇するという実験結果が出ていますが、自然を取り入れやすい窓際にいる人の方がそうでない人より生産性が高いというデータもあるんです。
ですから、生産性向上を意識したグリーン導入の場合は、窓際よりも部屋の内側の方で働く人たちのために入れてバランスを取るべきだとご提案しています。また、その際も小さい鉢植えでもいいからデスクやカウンターの上に置くなど、できるだけ植物と人の距離をできるだけ近づける方が効果的だとお伝えしていますね。

小野木(BGM)
一般的な音全般で言えば、職場で流す音選びで重要なのは「好き嫌いや飽きが無い」「メロディや歌詞が無い」ことです。脳は無音が苦手なので音がある方が集中もしやすいのですが、メロディや歌詞があると脳が無意識に理解しようとしてしまい集中を妨げますし、万人受けする音はなかなか見つからず、同じ音ばかりでは飽きてしまいます。そういう意味でも自然音は最適だとお伝えしています。
さらにハイレゾ自然音の場合は耳から聴こえないレベルの高周波音の微細な空気の振動を全身で感じることで、自律神経が整うといった効果も期待できるため集中にもリラックスにも良い環境になります。


Point
  • グリーンは自然を取り入れやすい窓際とそれ以外の場所でのバランスを考慮し、できるだけ人に近い場所に配置すべし
  • アロマは集中とリラックスなど目的に合わせた香り選びとその「嗅ぎ分け」によるオンとオフの切り替えへの活用が効果的
  • 無音状態は脳が嫌うため音はあった方が良いが、「好き嫌いや飽きが無い」「メロディや歌詞が無い」など職場環境に合う音選びが重要


写真:株式会社ユニバーサル園芸社(東京本社)オフィス

オフィス環境改善のエビデンス


——先ほどお話が出たバイオフィリックデザインの効果については世界的な研究により効果が実証されていますが、その他にグリーン・アロマ・BGMを従業員向けに活用することでの具体的な効果エビデンスはありますか?

佐藤(グリーン)
いわゆる科学的なエビデンスというわけではありませんが、弊社でレンタルグリーンを導入いただいているお客様547人に行ったアンケート結果があります。
「植物があることで居心地がいいと感じている人」は96.9%、「植物があることで社内の雰囲気が良くなると思っている人」は93%と、レンタルグリーンを導入しているお客様のお声なので好意的な結果ではあるのですが、導入して効果を肌で感じる人が多いということだと思います。

中村(アロマ)
アロマは各社が独自で調査するものもありますが、アロマテラピーについて検定や学術調査を行うAEAJ協会が調査発表した情報もエビデンスとして活用しています。
例えばバラの香りで記憶力を高めるといったことや、ペパーミント/オレンジ・スイート精油の香りがストレス軽減や計算ミス軽減に影響があることなど、アロマ全般だけでなく精油の種類ごとにも多くの研究がなされています。

小野木(BGM)
グリーン・アロマ・BGM(ハイレゾ自然音)を取り入れた空間「森の部屋」とそうでない無機質な空間「都市の部屋」で行った実証実験結果ですが、「ストレス度の低下」、「興味関心の高まり(インタレスト度向上)」、「作業の正確性向上」といったパフォーマンス向上の結果が出ています。
ハイレゾ自然音だけで自律神経のバランスが整うというデータもありますが、グリーンやアロマも含め五感全体を刺激したほうが効果的だと考えています。

<実証実験>

中村(アロマ)
嗅覚と視覚と聴覚をまたいだ実験はこれまであまりなかったですけど、相乗効果を狙うのが一番だと思いますね。
弊社の飯能にあるハーブガーデンにいらしたお客様はすごくファンになっていただけるし満足度も高いのですが、香りだけではなく、グリーンに触れ、鳥の声などの自然の音を感じていただけているからだろうと思います。
実際、コロナになってからの方がハーブガーデンの来場者数も増えていますし、オンライン配信した時も離脱率も低く「鳥や葉がそよぐ音がいいですね」「見てると癒されます」などのお声もあり、こんな時だからこそ五感で自然に接することを求められているのだと思います。


写真:生活の木 メディカルハーブガーデン 薬香草園

佐藤(グリーン)
確かに、より自然の要素を求める意識が高まっているかもしれませんね。
コロナの影響が出始めてからは、在宅ワークでのストレスや巣篭もり需要が高まったこともあってか、弊社個人向け店舗でも個人向けグリーンの売り上げがかなり伸びています。

小野木(BGM)
とは言え、個人で在宅ワーク環境を充実させることにも限界があるでしょうから、たとえ出社日数が少ないとしてもオフィスに対して快適で働きやすい環境を求めたい気持ちは強くなっているように思います。
私たちにできることでこれからもっとオフィスの環境改善のお手伝いが出来るといいなと思っています。

——グリーン・アロマ・BGM(ハイレゾ自然音)のコラボレーションには大きな可能性がありそうですね。本日はありがとうございました!



今回の座談会に参加いただいた株式会社ユニバーサル園芸社、株式会社生活の木、株式会社アールライブの3社のコラボによる「森のレンタル-for Office」を提供開始いたしました。
サービスの詳しい内容や料金等が入った資料はこちらをご覧ください。

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